「ビットコインには問題があって、2つに分裂した?それはなぜ?」
ビットコインは、フォーク(分岐)して「ビットコイン」と「ビットコインキャッシュ」に分かれました。いったいなぜでしょうか?
その理由には、ビットコインの「ある問題」があったのです。
「ビットコイン・ブロックチェーンの本」を片っ端から読んできた僕が、どのサイトよりもわかりやすくお教えします。
これを読めば、アナタも“フォーク(分岐)”がわかります!
初心者でもわかるビットコインの【フォーク(分岐)】とは何か?
ビットコインの手数料がもらえる仕組み
ビットコインの「問題」と、「フォーク(分裂)」を理解するために…
いったんビットコインの仕組みについてお話ししましょう。
ビットコインを送金した時。銀行ほどではないですが、少しだけ手数料が取られます。
管理している人のいないビットコインなのに、この手数料はどこに行くのでしょうか?
それは、「マイナー」のフトコロに行きます。
マイナーは、マイニングによる報酬と、手数料も受け取れるのです。
で、ここがポイントなのですが、
マイナーは「手数料の高い取引」から順に取引台帳を作っています。「取引された順」ではありません。
なぜ「手数料の高い取引」を優先するのかというと、それがそのままマイナーの収入になるからです。
ここ、後に出てくるのでおぼえておいてください。
ビットコインの分裂騒動
よくできた仕組みで動いていたビットコインですが、2017年夏に問題は起こりました。
問題が起こったきっかけは、利用者が増えたことによるものでした。
利用者が増え、取引量も増えた結果、取引の大渋滞が起こったのです。
高い手数料の順に取引を成立させるので、手数料が高騰したり、1件の取引が丸一日かかったりすることもありました。
これがビットコインで浮かび上がった「問題」でした。
ビットコインの取引容量
【ブロックチェーンとは何か?】で言った通り、ビットコインは「10分ごとの取引台帳」を作っています。
そこに入るデータ容量は、1メガバイトしかありませんでした。
この中に、世界中の取引すべてを詰め込む仕組みだったのです。
2017年に取引量が増えたことによって、1メガバイトの容量では足りなくなってしまいました。
サトシ・ナカモトが思ってたより、はるかに多くの取引が行われるようになっていたのです。
容量が足りないと、どうなるか?
取引を成立させるために手数料が高騰したり、手数料の低い取引はどんどん後回しになったのです。
ビットコイン問題の解決策は、2つに分かれた
問題を解決するためには、2つの方法がありました。
ひとつは、取引データを圧縮して小さくし、1メガバイト内に収める方法。(“セグウィット”といいます)
もうひとつは、データ容量を大きくして8メガバイトにする方法。
カンタンに言うと、「入れるデータを小さくするか」「入れる箱を大きくするか」ということです。
この2つの意見で、真っ二つに分かれました。
ですが、容量を8メガバイトに増やす方法だと、技術的に問題があることがわかりました。
ブロックチェーンそのものを変えないといけないので、今までつながってきたブロックチェーンとは別物になってしまうのです。
どうなるかというと「ビットコインから枝分かれした、別のコインができる」ということでした。
これが「ビットコインの分裂騒動」と呼ばれるものです。
ビットコインがフォーク(分岐)して、新たなコインが生まれた
いったんは、「入れるデータを小さくする」方向で話がまとまりました。
ですが、これでは都合の悪い人たちがいたのです。
それは、一部のマイニング業者でした。
データが軽くなると、ネットの通信速度が遅い国は不利になってしまうのです。
「マイニングの競争で不利になってしまう」ということで、マイニング業者が反対しました。
そして彼らは、「データ容量を大きくできないなら、データ容量を大きくした新しい暗号通貨を作る」といって、ホントに作ってしまったのです。
こうしてできた仮想通貨が「ビットコインキャッシュ(BCH)」です。
このように、ブロックチェーンが枝分かれして、新しいものができてしまう。
これを「フォーク(分岐)」といいます。
いままでにフォーク(分岐)したのは、ビットコインだけではありません。
ビットコインの次に取引の多い仮想通貨「イーサリアム(ETH)」では、ハッキング問題がありました。
それによって「イーサリアム」と「イーサリアムクラシック」に分岐しています。
仮想通貨はなぜフォーク(分岐)するの?
なぜこうして「フォーク(分岐)」するのでしょう?
円やドルなどの場合、政府や中央銀行が管理しています。なので、「こうしよう」って決めて終わりです。
ビットコインなどの仮想通貨は、管理者がいません。
なので、「問題があったらどうするか」は、参加者の話し合いによって決まります。
そのため、意見が分かれると仮想通貨じたいもフォーク(分岐)することになるのです。
そう聞くと、なんだか大丈夫なのか不安になるかもしれませんね。
「ビットコインの分裂騒動」ということで騒がれましたが、実際の内容はこうです。
「一部のマイニング業者が、ビットコインのチェーンをコピーして、勝手に新しい仮想通貨を作った」
なので、「ビットコインが分裂した」わけではありません。
ビットコインのブロックチェーンじたいには、何の問題もないのです。
「え?カンタンにコピーされちゃマズイんじゃないの…?」
と思うかもしれませんが、ブロックチェーンのデータをコピーするのは、そんなに難しいことではないんです。
なので、フォーク(分岐)させて新しい通貨を作ることもできるわけです。
重要なのは、「ビットコインのブロックチェーンそのものに問題があるかどうか」ってことです。
コピーして新しいものができても、ビットコインのブロックチェーンそのものには何の影響もないのです。
なので、「ビットコインの分裂騒動!!」って大騒ぎするようなものでもなかったのです。
ビットコインの分裂騒動、からのフォーク(分岐)まとめ
メディアで大々的に報道されたからなのか、世間の空気は「ビットコインは危険なんじゃないか…?」みたいになりました。
ですが、フォークした後はどちらのシステムも安定して動き、ビットコインも高値を更新しました。
実際の内容を見れば、大騒ぎするような大したことじゃなかったわけです。
これが「ビットコインの問題」からの「ビットコインの分裂騒動」。
そして「ビットコインのフォーク(分岐)」のすべてです。
仮想通貨に問題が起きたらフォーク(分岐)するということ、そのフォーク(分岐)には、問題によっていろいろな形があること。
そこだけ、頭の片隅に入れておくと良いでしょう。
さて、これまでの記事で、以下のことがわかりましたね。
- ビットコインとは何か
- ブロックチェーンとは何か
- マイニングとは何か
- フォーク(分岐)とは何か
ここまでくれば、あなたはもう基礎知識はバッチリです!
次は、実際にビットコインを「買ったり」「使ったり」する段階です。
そのために必要な、「ウォレット」。日本語だと「お財布」ですね。
次は、ビットコインを持つうえで知っておきたい「ウォレット」について。わかりやすくお伝えします↓
>>>初心者でもわかる暗号資産の【ウォレット】とは何か?わかりやすく解説
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